中小企業のハラスメント防止対策ガイド|義務化に対応する体制づくり

組織・HR 2026年5月2日 kotukotu編集部 約5分で読めます

2022年4月から、中小企業にもパワハラ防止措置が義務化されています。しかし「具体的に何をすればいいか分からない」「相談窓口を設置する余裕がない」という中小企業が多いのが現実です。ハラスメント防止対策は、中小企業でも少ない工数で法令に対応できます。

本記事では、中小企業がハラスメント防止対策を講じるための実践的な体制づくりを解説します。

中小企業に求められる4つの措置

パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)で企業に義務付けられている措置は4つです。

措置内容対応例
方針の明確化と周知ハラスメントを許さない方針を示す就業規則に記載、社内掲示
相談窓口の設置相談できる体制を整える担当者の指定、外部窓口の契約
事後対応の体制相談があった場合の対応手順調査フロー、処分基準の整備
プライバシー保護相談者・行為者の情報管理情報取扱ルールの策定

措置1:方針の明確化と周知

就業規則への追記

就業規則のハラスメント関連条項に、以下の内容を含めます。

  • パワハラ・セクハラ・マタハラの定義
  • ハラスメント行為の禁止
  • 違反した場合の懲戒処分
  • 相談窓口の案内

社内への周知方法

  • 全社ミーティングでの方針説明(年1回)
  • 社内掲示板やイントラネットへの掲載
  • 新入社員のオンボーディングへの組み込み
  • ハラスメント防止ポスターの掲示

人事制度の見直しと合わせて、評価制度にもハラスメント防止の観点を含めてください。

措置2:相談窓口の設置

社内窓口

中小企業では、総務担当者や経営者自身が相談窓口を兼ねるケースが多いです。

  • 担当者を2名以上指定(男女各1名が理想)
  • 相談方法:対面、メール、電話の3チャネル
  • 相談があったことを理由に不利益な取り扱いをしない旨を明示

外部窓口

社内だけでは相談しにくい場合に備え、外部窓口の設置も検討します。

  • 顧問社労士に相談窓口を委託(追加費用なしの場合も)
  • 外部相談サービス(月額5,000〜20,000円程度)
  • 都道府県労働局の総合労働相談コーナー(無料)

少人数の中小企業では、社内の人間関係が密なため「社内窓口に相談しにくい」ケースがあります。外部窓口との併用をおすすめします。

措置3:相談があった場合の対応フロー

ステップ内容期限目安
1. 受付相談内容の記録、相談者への初期対応即日
2. 事実確認相談者・行為者・第三者へのヒアリング1週間以内
3. 判断ハラスメントに該当するかの判断2週間以内
4. 対処行為者への指導・処分、配置転換等判断後速やかに
5. フォロー相談者への経過報告、再発防止措置継続

調査時の注意点

  • 相談者と行為者を引き離す(同席させない)
  • 事実確認は公平に(相談者の味方をしすぎない)
  • 記録を残す(日時、内容、対応を書面化)
  • 秘密厳守(関係者以外に情報を漏らさない)

措置4:プライバシー保護と不利益取扱いの禁止

  • 相談者の氏名、相談内容は調査に必要な最小限の範囲でのみ共有
  • 相談したことを理由とした解雇、降格、異動は禁止
  • 行為者のプライバシーも保護(処分が確定するまで情報を限定)

ハラスメント防止研修の進め方

研修の内容(1時間)

時間内容
10分ハラスメントの定義と種類
15分事例紹介(グレーゾーンのケーススタディ)
15分管理職の注意点(指導とパワハラの境界)
10分相談窓口の案内と利用方法
10分Q&A

研修の頻度

  • 全社研修:年1回
  • 管理職研修:年1回(一般社員と別に実施)
  • 新入社員:入社時

外部講師 vs 社内実施

中小企業の場合、最初の1回は外部講師(社労士など)に依頼し、2回目以降は社内で実施する方法がコスト効率が良いです。外部講師の費用は5〜15万円/回が相場です。

離職防止の対策とハラスメント防止は直結しています。

パワハラのグレーゾーン

指導とパワハラの境界

パワハラになる正当な指導
人格否定「お前はダメだ」行動へのフィードバック「この部分を修正してほしい」
他の社員の前で長時間叱責個室で冷静に改善点を伝える
能力に見合わない業務を強制成長を促すストレッチ目標の設定
無視、仲間外れ業務上の必要性に基づく役割分担

「業務上必要かつ相当な範囲の指導」はパワハラには該当しません。重要なのは、指導の「目的」と「方法」が適切かどうかです。

エンゲージメントの向上と合わせて、健全な職場環境を構築してください。

よくある質問

従業員5名の会社でもハラスメント防止措置は必要ですか?

はい。パワハラ防止法は従業員数にかかわらず、すべての企業に適用されます。5名の会社でも、方針の明確化・相談窓口の設置・事後対応の体制整備は必要です。

ハラスメントの相談がゼロでも対策は必要ですか?

必要です。「相談がない=問題がない」ではなく「相談しにくい環境である可能性」もあります。相談窓口の設置と周知は、相談がなくても法律上の義務です。

行為者が経営者本人だった場合はどうすべきですか?

もっとも対応が難しいケースです。社内窓口では対応できないため、外部窓口(顧問社労士、弁護士)の利用が必須になります。経営者自身も研修を受け、自身の言動を振り返る機会を作ることが重要です。


ハラスメント防止体制の構築や社内研修について、kotukotuでは無料相談を承っています。お気軽にご相談ください。


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