導入|ChatGPT 提案書の作成は「白紙の時間」を減らすために使う
ChatGPT 提案書の活用とは、対話型AIのChatGPTに構成案や本文の下書きを作らせ、人が内容の判断と仕上げを行う進め方のことです。提案の中身そのものを任せるのではなく、書き出すまでと書き直しの時間を減らす使い方になります。
中小企業の提案書は、営業担当者が通常業務の合間に1人で作ることが多くなっています。たとえば1件の提案書に3時間かかり、月に8件作る会社なら、提案書だけで月24時間です。このうち「何から書くか悩む時間」と「文章の言い回しを直す時間」は、AIで短縮しやすい部分です。
この記事では、構成案から推敲までを5つの手順に分けて説明します。営業全般のプロンプトはChatGPTの営業プロンプト集、資料のスライド化はAIプレゼン資料作成の始め方も合わせて確認してください。
ChatGPT 提案書づくりの全体像と向き不向き
ChatGPT 提案書づくりの全体像とは、情報整理→構成→下書き→推敲→確認の5工程のうち、どこをAIに任せ、どこを人が持つかを決めることです。
| 工程 | AIに任せやすい度合い | 人が持つ部分 |
|---|---|---|
| 1. 顧客情報の整理 | 中(整理は得意) | 情報の収集と取捨選択 |
| 2. 構成案づくり | 高 | 提案の軸の決定 |
| 3. 本文の下書き | 高 | 自社の強みの根拠 |
| 4. 推敲 | 高 | 最終のトーン判断 |
| 5. 事実確認 | 低 | 数字・価格・納期の確認 |
向いているのは、定型に近い提案(見積付きの販売提案、継続契約の更新提案など)です。反対に、価格や納期、法的な条件を含む部分は、AIの文章をそのまま使うと誤りが混ざります。
手順1:顧客情報を5行にまとめてから渡す
顧客情報の整理とは、提案先の状況をAIが読み取れる短い文章にする作業です。ここが薄いと、どの会社にも通じる当たり障りのない提案書になります。
次の5項目を、メモに書き出します。所要時間は10分ほどです。
- 相手の会社の業種・規模
- 相手が今困っていること(商談で聞いた言葉のまま)
- 予算の目安と決定時期
- 決裁者と、実際に使う担当者
- 競合として比較されそうな相手
社名や担当者名、具体的な金額は、社内ルールに従って伏せ字にするか、AI利用の可否を確認してから入力します。ルールが未整備なら中小企業のAI利用ガイドライン雛形で先に1枚作っておくと安心です。
手順2:構成案を3パターン出させて選ぶ
構成案づくりとは、提案書の見出しの並びを先に決める工程です。いきなり本文を書かせるより、構成を先に固めたほうが、後の手直しが減ります。
プロンプト例は次のとおりです。
あなたは中小企業向けの営業支援の担当者です。以下の顧客情報をもとに、提案書の構成案を3パターン作ってください。各パターンについて、見出し(5〜7個)と、その順番にした理由を1行ずつ付けてください。 【顧客情報】(手順1の5行を貼る)
3パターンを並べると、「課題から入る型」「事例から入る型」「費用対効果から入る型」のように切り口が分かれます。決裁者が数字を重視する相手なら費用対効果型、現場担当者が相手なら課題型、というように人が選びます。
手順3:見出しごとに本文を下書きさせる
本文の下書きとは、決めた構成の見出しごとに文章案を作る工程です。一括で全部を書かせるより、見出し1つずつ依頼したほうが、内容がぼやけにくくなります。
依頼のコツは3つです。
- 文字数を指定する(例:各見出し200〜300字)
- 自社の事実を材料として渡す(導入実績の件数、対応エリア、サポート体制など)
- 「根拠がない箇所は【要確認】と書く」と指示する
3つ目は特に重要です。この指示を入れておくと、AIが埋め合わせで作った数字や事例に印が付くので、後の確認が楽になります。
手順4:推敲は「相手目線」と「短く」の2回に分ける
推敲とは、下書きの文章を読み手にとって分かりやすい形に直す工程です。1回で直そうとせず、観点を分けて2回依頼します。
- 1回目(相手目線):「決裁者が読む前提で、専門用語と社内用語を言い換えてください」
- 2回目(短く):「意味を変えずに、1文を60字以内にしてください」
たとえば製造業向けの提案で「リードタイム短縮」と書いてある箇所を、決裁者向けに「注文から納品までの日数が減る」と言い換えさせる、といった使い方です。言い換え後の意味がずれていないかは、人が読んで確認します。
手順5:数字・固有名詞・条件を人が確認する
事実確認とは、提案書に書かれた数字や名称、契約条件が正しいか、人が元資料と突き合わせる工程です。AIは自然な文章を作る一方で、存在しない事例や数字をもっともらしく書くことがあります。詳しくは生成AIのハルシネーション対策で解説しています。
最低限、次の表で確認してください。
| 確認項目 | 突き合わせる元資料 |
|---|---|
| 価格・割引条件 | 最新の価格表、見積書 |
| 納期・対応範囲 | 社内の生産・稼働計画 |
| 導入実績・事例 | 実際の契約記録、先方の掲載許可 |
| 法令・規格への言及 | 公式の原文 |
| 社名・担当者名・敬称 | 名刺、前回の議事録 |
提出前に、上司か同僚に1人読んでもらう運用を加えると、見落としがさらに減ります。
運用を続けるための型づくり
運用の型とは、うまくいったプロンプトと提案書を社内で共有できる形にすることです。担当者ごとに使い方がばらつくと、品質も時間短縮の効果も安定しません。
- うまくいったプロンプトを共有フォルダに1ファイルずつ保存する
- 受注できた提案書の構成を「型」として残す
- 失注した提案書も、理由を1行添えて保管する
- 月に1回、所要時間を記録して効果を確認する
営業全般のChatGPT活用はChatGPTで営業効率を上げる具体的な使い方にまとめています。業務全体への広げ方はChatGPT業務活用ガイドも参照してください。
よくある質問
Q1: ChatGPTで作った提案書は、そのまま顧客に出して問題ありませんか?
A: そのまま出すのはおすすめしません。数字、事例、納期、価格の条件は、必ず人が元資料と照らして確認してください。また、AIの文章は他社の提案書と似た表現になりやすいため、自社の実績や相手の状況に合わせた一文を加えると差が出ます。
Q2: 顧客の社名や金額をChatGPTに入力しても大丈夫ですか?
A: 利用するプランの設定や社内ルールによります。入力した内容が学習に使われない設定になっているか、契約している範囲を確認してください。迷う場合は、社名や金額を「A社」「約○○万円」のように置き換えて入力すると、リスクを下げられます。
Q3: 無料版でも提案書づくりに使えますか?
A: 構成案づくりや推敲であれば、無料版でも試せます。ただし、無料版は機能や利用回数に制限があり、入力データの扱いも有料の法人向けプランと異なる場合があります。顧客情報を扱うなら、有料プランの条件を公式サイトで確認してから選んでください。
まとめ|まず1件の提案書で5手順を試す
ChatGPT 提案書の作成は、白紙から書き出す時間と、言い回しを直す時間を減らす用途に向いています。一方で、提案の軸を決めることと、数字や条件の確認は人が持つ工程です。
最初は、次に作る提案書1件だけで5手順を試し、いつもの作成時間と比べてみてください。どの工程で時間が減ったかが分かれば、社内に広げる判断もしやすくなります。
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